文化発信・交流事業

文化発信・交流事業

ボーダレス化、グローバル化が進む現代でも、各国の文化が均質化することはなく、自国文化および異文化理解の重要性はますます高まっています。
弊社では、国内外への日本文化の発信・交流事業のサポートを行っております。

「国のイメージ」=「製品・サービスのイメージ」

国を跨いだUX調査を行って感じるのは、ある国に対してユーザーが抱いているイメージが、その国で作られる製品・サービスの購入に関する意思決定に大きく影響しているということです。初めて見るサービスのサイトで、ユーザーがそのサービスについてよく理解できない場合であっても、その人が良い印象を持っている国で開発されたと知ると、とたんに親近感を感じ、サービスに対する信頼性や、利用のモチベーションも上がるということが良く起こります。

製品やサービスの品質が優れていることは、今でも変わらず重要ですが、近年では「モノの価値」そのものに加えて、それがつくられた経緯や、込められた哲学など、購入者の価値観に応じた「意味」が注目されるようになっています。海外のお客さまに商品を提供する場合、原産国のイメージがその商品に価値を与える「意味」や、選ぶ「理由」として大きな役割を果たしているのです。

自分を知り、相手を理解するために

インターネットメディアが発達し、国を越えた人の往来が盛んになったいまでも、日本人の多くは外国に対して、例えば「香港=摩天楼、グルメ、ショッピング」など、かつてとあまり変わらない、画一的なイメージを持っているのではないでしょうか。香港は、実際には都会の喧噪の中でグルメやショッピングを楽しむだけではなく、寺院や伝統芸能で中華圏の伝統文化を体験したり、郊外や離島で自然を満喫できる場所でもあります。海外から見た日本も、同じように知られていない多くの面があることは同じです。

日本文化発信事業

私どもでは、よりよく日本や日本文化について知っていただくため、2009年に NPO法人日本伝統文化振興機構 を立ち上げました。この活動の動機は、あまり知られていない日本全国の隠れた文化資産を紹介することで、多様な日本を知っていただくこと、日本文化の成り立ちを知るために、日本人の精神性について考察すること、また日本人が古来大切にしてきた価値観が現代でも役に立つのであれば、それを共有していくということです。Webサイトを通じて各地の伝統工芸品・郷土文化の紹介を行ったり、現代の生活の中で忘れられてしまった伝統行事の意味や、四季折々の自然の中で育まれた日本人の感性などを考察し、これまでに多くのメディアや海外からのお問い合わせに対応してまいりました。

ネットでの情報発信だけでなく、実際に日本文化に触れていただくため、国内での催事の企画・運営に加え、2013年に パリ・ジャパンエキスポ での伝統工芸品の紹介、2019年からはイタリア各地で行われる文化イベントでの伝統工芸品の制作実演・体験などを行い、大変好評を博しております。

相手のコンテクストを考える

ところで、海外の方に伝統工芸品を紹介するときによく尋ねられるのは、「どこで取れた、どんな素材を使っているのか」「どのように作るのか、制作にどのくらい時間がかかるのか」という制作の背景に加え、「色や形にどんな意味があるのか」「どんな機会に使うものなのか」という、「意味」に関する質問です。また、日本人の好みとは異なる、特定の色やデザインに人気が集まることも非常に興味深い点です。相手が理解しやすい文脈を考えながら「意味」を説明すること、また特定の色やデザインが好まれる理由を考察するのは、喜ばれる商品を提供するために不可欠であり、非常に興味深いプロセスです。

モノやサービスの設計に文化理解のプロセスを統合し、お客さまが価値を感じる「意味」を織り込んでいくことは、商品イメージやその価値を高めるために今後ますます重要になっていくと思われます。弊社では、日本に対するイメージをより豊かにしていただくための活動に加え、「人と文脈を理解する」というUXの基本的な考え方を異文化理解・異文化コミュニケーションに応用するサービスを提供してまいりたいと思います。

Festival dell'Oriente Milan Festival dell'Oriente ミラノ会場の様子

文化発信・交流事業のお問い合わせ

伝統工芸品・伝統芸能など、伝統文化の発信事業については、NPO法人日本伝統文化振興機構にてお問い合わせを承っております。お気軽にお問い合わせくださいませ。